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デッドかライブか、その良し悪しは決まらず

ダラダラと日延べにならないよう最低でも1ヶ月に一度はブログ記事を書こう!と思い立った訳で、なんとか滑り込みである(笑)。


Sonus Faber Minima Amator IIを使うとスピーカー本体にしてもアンプ類にしてもライブセッティングの有効性を実感する。響かないよう設置すると音が死んでしまうのだ。ライブに、音を響かせるように設置すると音に生気があふれる。ガルネリ・オマージュでもそうであった。アマティはトールボーイゆえ若干違うが、概ね同傾向、ライブ構築を好んだ。


それに対して、B&W804d4を使うとスピーカーもアンプ群もデッドに近づけるようセッティングすると良い。805d3でも同じだが、低域のエネルギーが高いだけに804の方がよりデッドにする必要がある。ライブすると音の細部が潰れてしまいピンボケになる。さらに「演奏が下手に聞こえる」ようになる。ノリが効いていないワイシャツのようにヨレヨレな感じ。ま、ヨレヨレもファッションだ!と言ってしまえば、それはそれで個人の趣向なのだが、再生音楽の情報量をできるだけ出力させたいという欲望が強い故にB&Wを使っている輩としては、どうしてもシャープネスを高めていきたくなる。パリッとピシャッとしてほしいのだ。


要するに、Minima Amator IIと804d4は対照的だ。対照的だからこそ楽しい。複数スピーカーを所有する醍醐味がこれ!である。性格が真逆の人(異性)と同時にお付き合いするのに似ている(笑)。


Minimaはライブを好み、804はデッドを好む。長年愛用しているオーディオボードをMinimaをドライブしているラックスマンの球アンプの下に敷いて、音が立ちどころに死んだのには驚いた。ここまでデッドを嫌うとは。機器をただ響かせるだけで音が伸びやかになるというのは都市伝説のように思っていたが、その事実を目の当たりにすると苦笑せざるを得ない。


夏は蝉の声、秋はコオロギや鈴虫、キリギリスの声がまるで耳鳴りのごとく聞こえてくる、防音設備が一切無い我がウサギ部屋であるが、そんな超低レベルなオーディオ部屋であっても外界のノイズが気にならないように鳴らす方法がある。ライブ寄りの再生である。


「B&Wとアキュフェーズを使わずにソナスとマッキンを使うこと」


これに尽きる。他意はない。前者が高級高邁で、後者が低級下品ということではない。表現する音、表現させたい音が対極であるからにほかならない。季節、時期、時間に合わせた節制を愛する使い分けでなのである。


B&Wシステムだと、屋外から押し寄せる虫たちの声はノイズになる。まるで西洋人達が虫の声を愛でることが出来ないのと同じような感覚だ。微細な音の情報が埋め尽くされた再生音の邪魔にしかならない。実に鬱陶しいノイズである。


ソナスシステムだと、蝉の声、鈴虫、コオロギの声は季節の音色になる。部屋で鳴っている音楽に季節のBGMをミキシングすべく、虫たちのエネルギー、その必死に生きている様が溶け込んでくる。聴き方はスピーカーで作られるのだろうが、アンプも問題である。ソナスをアキュフェーズで鳴らすと虫の声はSNを邪魔するノイズに成り下がってしまうから面白い。


我が家のライブは寛容をもたらし、デッドは排他をもたらす。いずれも音楽鑑賞に他ならないがここまでライブとデッドで音の聴かせ方が変わるのが面白く、同時に音楽鑑賞がもたらす精神性の重要さを再認識させられる。


ライブ環境の創出にデッドを持ち込んだり、デッド環境の創出にライブを持ち込んだり、それは個々人のセンスであるが、やり過ぎるとどんな音を聴きたいのか収拾がつかなくなる。


今、デッドに仕上げたいのか、

あるいは、

今、ライブにもっていきたいのか、


それを常に自問し続けないと「これは絶対良くなる!」と思い込みだけで機器を入れると絶対にごちゃごちゃになり、必ず迷走する。

、、、なんてエラソーなことを言っている、目下迷走逆戻り中の私である。


# by bachcantata | 2022-08-31 11:00 | オーディオ

もう少し気楽に良い音を、、ってダメなの?

「あらためて805d3うんぬん、、、」と言いはしたものの、804d4を使うことが多いのは間違いない。決して腰高にならない、大変落ち着いた音の印象が長時間リスニングを容易にする。クラシックの小編成から大編成、リュートやチェンバロからパイプオルガン再生に至るまで、妥協する帯域なく必要十分なサウンドバランスである。低域再生がややマニアックであった805d3に比べで、804d4は低域だけでなく中域の充実感も容易に得られ、様々な曲を「空振り少なく」安心して鑑賞できる。


直接的に音像や定位をキビキビと伝えてくる805d3とは違うので、804d4は聴き疲れとほど遠い。805d3は敏感で直接的な再生音ゆえ聴き疲れしやすい。そのダイレクト感によって「出力される「サウンド情報」の一点も聞き漏らさずに・・・」という充足感でサーキットレースのようなスリリングなリスニングを可能にするが、それだけ情報量が多いので「頻繁な休息」が必要になる。そのようなダイレクト感は804d4にほとんど感じられない。


最も805d3をメインで使っていた頃、803d3や802d3を聴いても上位機種としての優位性は感じられつつも、ダイレクト感はブックシェルフ型の805d3の優位性を感じ続けていた。その印象は804d4を導入しても変わっていない。


確かに802クラス以上の本体サイズとタービンヘッドの絶妙なバランスからくる圧倒的な高SN・解像度と全帯域再生のバランス良さは他のサイズでは決して得られないのだが、いざ!イザ!自室へとなると、、、如何せん、本体サイズが大きすぎて、いかに「天邪鬼的アホマニア」を自称していても導入をためらう。ま、ただ単に過去の「あらら、やっちゃったあ」連発の苦体験が効いているにすぎないのだが(笑)


B&Wのスピーカーを使うようになってまだ日が浅いが、重要な要素として考えるようになったのは「部屋サイズとのバランス、整合性」である。どのスピーカーにも当てはまるが、B&Wは殊更ミスマッチを嫌う傾向が強い。過敏なのだ。10畳程度に801クラスを入れる等のゴリ押しは効かないし、もしゴリ押しするなら、多大な犠牲を払う覚悟が必要だろう。


その犠牲も鳴らし手の個性(笑)!、十人十色で、聴き方・鳴らし方の正解・不正解はないというのは私のスタンスではあるが、現代のモニタースピーカーは、ますます鳴らすのが難しくなってきているように思う。その理由は、


1、兎にも角にも、スピーカーの周りにモノを置くことができない

2、犠牲と妥協が極端な音質低下を突きつけてくる


からである。専用ルームであっても、スピーカー周辺にアンプをはじめとして物を色々置かざるを得ない訳だが、ウサギ部屋ならなおのこと、一つ物を置く度に音が変わりすぎるのは如何なものか。スピーカー周辺に物を置くとここまでサウンドが激変するのは、もはや非現実的であると言わざるを得ない。それだけでもクリティカル過ぎて緊張感ばかり突きつける。


その意味でも、オーディオは高級な趣味である。


805d3と804d4で、周囲環境に対する過敏性は明らかに805d3が上である。エンクロージャーが大きくなると環境の影響をより多く受けそうに思われるが、805d3の方が環境の変化にシビアな反応をする。ブックシェルフ型だから食卓の上にポンと置くことも出来るが、そのような悪環境での再生はかなり高度な使い込み技術を要求されよう。


スピーカーが大きくなると受け皿となる部屋サイズを大きくせざるを得ない訳だが、以前の私のように「大型スピーカーをウサギ部屋で!」という天邪鬼的アホをやらかすと、スピーカー自体の音エネルギーが強いだけに部屋音響を強引に無視した「スピーカーそのものの音」を聴くことができるのもまた事実なのだが。。



# by bachcantata | 2022-07-28 09:12 | オーディオ

あらためて感じる805d3の良さ

最近じっくりB&W805d3サウンドを聴いてみた。

ふと考えるに、このクラスのスピーカーを下取りに出さずに持ち続けたことは今までなかった。その意味でも感慨深い。これまでオーディオ機器のアホ遍歴!?を色々続けてきたが、B&Wに行き着いて「買い替え」が止んだ。金銭的にも時間的にも、また音楽鑑賞に集中できることからも「熟成期への移行」は実にありがたいことである。


「よく言うよ! イチビッて804d4を買っているじゃないか!!」


と言われそうだが、これは「買い足し」で「買い替え」ではないのだ。805d3への熱は現在も続いているのである。MacintoshG3を仕事で使い始めて以来、G4、G5、Intel+USBDAC+球アンプとタンノイスピーカーとともに過ごしてきた訳だが、歴代Macは置き物化して全ていまでも持っているのに、いずれのオーディセット(アンプ・スピーカー)も全て「買い替え」て今手元に残っているのは一台もない。あれでも使うかもしれないと残し続けた膨大なケーブル類やコンセント類まで805d3に合わないものは綺麗さっぱり売ってしまったくらいに、805d3サウンドに心酔した。それほど805d3との出会いは衝撃的だった訳で、それ故に804d4早期導入へと帰結した。


かつて「エイヤ!」と先輩より譲ってもらったMcintosh XRT-22sから本格泥沼化してゆくわけだが、過去の記事でも述べたようにスピーカー・アンプを買い替え手放し続けて「売らなければよかった」と後悔したスピーカーは「ソナスファベール ガルネリ・オマージュ(白濁する初期モデル)」ただ一つである。現在その音を彷彿とさせる、昨年導入のミニマ・アマトール2は大変気に入っていて、さもすると804d4より稼働率が高いことが悩ましい。


つい2ヶ月前「804d4と805d3の身勝手な備忘的比較メモ」と題するエラソーな記事を載せたばかり。その内容を否定する悩ましい結果を感じたのは先日あらためて805d3をじっくり聴いたことによるもの。耳はかなり804d4に慣れてきている頃合いでもあるし、805d3の音に「古さ」を感じるにはもってこいの時期(笑)であったにもかかわらず、である。


自分の中で「以前使っていたスピーカーの音」は懐かしさを感じるわけだが、804d4と805d3は設計が1世代違い、エンクロージャーの大きさも違う一方、同じ800シリーズであることから、およその「大きな音色の変化」を感じることはない。それだけに、微妙な、些細な差異には敏感になる。


いろんな曲を聴き込むと、いまさらながら805d3は「音が速い」と強く感じる。とにかく引き際が速い。クリアでにじまない。エンクロージャーが小さいことは音の速さに極めて好条件なのだろう。中低域の充実感不足は「この完結された世界」においては思いのほか気にならないし、高域のエッジも個人的にこれくらいあった方が聴きごたえがある(笑)。ま、804d4はまだ一年も使っていないのだから、使い込んでいないレベル、鳴らし切れていないレベルで、この805d3と比較しては可哀想だが。


それに805d3はその扱いにも慣れていて、音で何か問題が起こると、仕向けたい音の趣向へササっと解決できる自分が存在する。804d4はどこをどうすれば良くなり悪くなるか目下模索中であるから、この点でもまだまだ804d4を使い込む必要があるし、故に今ここで即結論を出したわけではないが、久しぶりに聴いた805d3での音楽に対してこれほどまでに「音が速い」と感じたことに驚いているわけである。


当然音が速い、遅いは「一つの特徴」でありそれだけでオーディオ音楽の良し悪しの全てが決められるわけではないが、音の速さは「オーディオ快楽=気持ち良さ」「抜けの良さ」にもつながる重要ポイントであることも確かで、個人的にとても大切にしている要素であるから、「あらら、、こんな感じ方をいまだにするなら805d4を素直に買っておいた方がお財布にも気持ちにも、OOにも優しかったのかな」と、一瞬クラクラとグラグラとした次第。


個人的結論:

あるレベル以上のスピーカーは「下取り」をせず持っておく方が良い!


この趣味を始めて四半世紀をゆうにこえて今更こんな事を言っていて赤面、まだまだ未熟者。。


# by bachcantata | 2022-06-24 10:50 | オーディオ

オフセンターリスニングのススメ

導入時から最近までデジタルイコライザーDG-68のアナログ入出力を使っていたが、結局SACDプレーヤーDP-750の内蔵DACの前には太刀打ちできないことが判明し、HS-Linkケーブルを2本買ってDP-750からアナログ出力をすることになった。


この状態だと、 DP-750のINPUT切替でDG-68を通さない音=「DP-750素の音」が簡単に聴けるので比較が簡単に出来るのも好都合。

素の音は解像度が上がったように聞こえるのだが、聴き心地や長時間リスニングを考えるとどうしてもDG-68を通して調節した音の方を選んでいるのが正直なところ。


スムーズヴォイシングで調節する自室でのDG-68の「有」と「無」は次のとおりの変化である。


スピーカーを楽器と例えるならば、、、

「無」は音響の良くない部屋で楽器を鳴らすのに似ている。

「有」は音響が良いスタジオ(ミニホール)で楽器を鳴らすのに似ている。

楽器そのものの音が良くなるわけではない。スピーカーと部屋との整合性を高めるための必需品であって、スピーカーそのものの音を「下剋上的都合がよく聴きやすい音に改変したり、ヴァイオリンがチェロのような音に変化するのでは決してない」ということを改めて実感した次第、ま、当然なのだが(笑)。



B&W804d4にリプレイスして今月で7ヶ月ほどたった。

低域もつい最近より自然に聞こえるようになった。導入当初は、恐ろしくかつ幻滅していた低域のモコモコ感、全く伸び切らない中低域への不足感は、現在ほとんど感じられなくなった。ひとまず安心している。好ましいエージング変化である。ただ、中低域はかなり改善され聴きやすく気持ちよく変化してきている一方で、まだまだ慣らし込みが足らないのか、ソースによって高域の硬さが気になる時がある。


今まで805d3というブックシェルフスピーカーを使っていたこともあり、どうしても低域がもの足らないゆえにソース再生がかたよっていた。そして、この804d4をメインに据えたことで、マーラーの大編成やパイプオルガン、教会録音の大合唱、大太鼓などの曲の再生が圧倒的に増えた。(B&Wでジャズはスイングしないので、相変わらずソナスのミニマだけで愉快に聴いているのだが(爆笑)804d4の精進がまだまだ全く足りない訳だが・・。)


また、805d3では聴きづらかったCDを再確認のために再生してみることもふえた。DG-68のイコライジングをする際には「耳タコCD」だけ音を作り上げることは御法度であるので、20年前、30年前に購入した思い出のCD等もひっぱり出し、多種多様なジャンルや時代のCDを聴いて「イコライジングの良し悪し」を詰めていくようにしている。


学生時代によく聴いた「音が悪いソース」が、今のシステムでどの程度聴けるように、聴くに堪える音になっているか。あるいはここまで投資しても情報量不足で聴くに耐えられないか。


確かに「音が悪いソース」はその「音の悪さを忠実に再現されるべき」なのであるが、音の悪さが、CDの問題ではなく、スピーカー、アンプ、部屋等々、それぞれとの相性の問題である可能性もある。学生時代当時は、ミニコンポ、ディスクマン、ラジカセなどが再生機器の中心であったので現在とは天と地の差がある、、、、だろうと信じたい。ま、聴力と金額が反比例なのが皮肉であるのだが。。負け惜しみで、聴力と聴き方(経験値)も反比例であると粋がっている。(笑)


804d4は、前後感、特にスピーカーの後方へ音が広がるような鳴り方をする。その特徴を活かした鳴らし方がこのスピーカーを活かせると思う。例えば、通常CDをパソコンでDSDディスクに変換作成して再生すると、前後感の違いがよくわかる。DSD化すると音が後方によく広がるようになるし、SNが高まって強弱が、特に弱音からの立ち上がりがしっかり聞こえるように変化する。一方で音の押し出し感は弱まるのでエネルギッシュさは低減する。


805d3は音のリアリティが高い。より厳密に、微細な部分もしっかりと聴き込むには文句なしのスピーカーである。前後感よりもむしろ左右、スピーカーの外側へ広がるような音作りにより重点が置かれたように感じる。それに加えて小型であるのでニアフィールドで使えるゆえに、更なる厳密なリスニングにも向く。


SS誌でかつて朝沼先生が「良いシステムではオフセンターで聴いても、ホールのサイドで聴いているのと同様に楽しめる」といった内容のことを書かれていた。


確かに、良い状態であるオーディオシステムであると、左右スピーカーを底辺にした逆三角形の頂点だけがリスニングポイントではなくなる。部屋中がよく響いているからこそ「良い音響によるサウンド」が再現される。意外に「良い音響サウンド」は部屋の外でもある程度楽しめたりもする。


自室のウサギ部屋では窓が色々とあるのだが、窓を開放すると当然音響がガラリと変わる。

全開放で部屋の外で音楽を聴いてみる。意外とこれで良し悪しがわかるのである。その場合、目の前に「あたかもアーティストがいるかのような再現性」は感じられないが、「強弱」や「リズム」「伸びやかさ」といった枝葉末節でない音楽鑑賞に必要な要素だけを聴くことができる。オフセンターでは朝沼先生談のコンサートホールのサイドシートで鑑賞するような音になるように出来るだけリラックスした音作りを目指す必要性を考え始めるにはもってこいである。


B&Wはとかくピンスポットのリスニングポイントになりがちであるし、むしろ広範囲なリスニングポイントで楽しむためのスピーカーでないことは承知しているが、


聴き方 自由

楽しみ方 自由


ユーザーのわがままに付き合わされる、実に哀れな我がウサギ部屋の機器達なのである。


# by bachcantata | 2022-05-15 14:05 | オーディオ

804d4と805d3の身勝手な備忘的比較メモ

完全主観のチョー無責任な比較表。

805d3は既に5年使っているが、804d4は半年とちょっと。

先月末頃から重心がさらに下がったくらいなので今後、まだまだ変化する可能性大。その上での比較表なので悪しからず。。。


804d4はトールボーイ型。以前使っていた、懐かしいアマティみたく「音の重量感」が出てくるまでエージングを続けてから比較表を作ろうとも思っていたが、ひとまず、2022年4月現在の状況を備忘す。

(*以下、805d3を805とし、804d4を804とする。805はd3であって最新のd4でない。)


    805d3  804d4

高域   ○    ◎ *805がエージングで有利のはずだが、伸びは804が良好

中域   ◎    ○ *805は2ウェイだけあって中域が極めて良好。

低域   ○    ◎ *物理的な箱サイズとウーハー搭載のトールボーイが良好

重低域  X    ○ *804は803以上の重量感ある低域は厳しいようだが必要十分

速度   ◎    ◎ *エージングで化けた部分。805並に804の速度は凄い

キレ   ◎    ○ *805はエンクロージャーが小さいだけに引き際が早い

静けさ  ○    ◎ *予想に反し804が静か。D4設計の良さが現れる

小音量  ◎    ◎ *エージングで化けた部分。804の小音量再生は良好

取回し  ◎    △ *正直804でも15畳以下の部屋で使うには大きすぎた(笑)

響き   X    ◎ *圧倒的な差だが、打込み系等、響きが不要なソースでは差なし

解像度  ○    ◎ *中高域のユニット(チューブ)の新旧の差が出ている

色彩感  ○    ◎ *さほど差がないと予想していたが804はより音楽性が高い

前後感  ○    ◎ *比較すると圧倒的差を感じるのはこの部分

左右感  ◎    ○ *エージングで変わるかもしれないが、左右は805がより広い

エッジ感 ◎    X  *耳慣れもあって805の高域キンキンエッジが好きだが(笑)

リアリティ○    ◎ *予想に反してトールボーイでここまでのリアリティに絶句

押し出し ◎    ○ *エージングで化けてゆくかも。2ウェイの押し出し感は魅力的

自然さ  ○    ◎ *804はどの帯域にも引っかかりなく中域以下の空振りがない

つながり ◎    ◎ *異種の素材を組み合わせた高中低ユニットの繋がりは良好

重量感  X    △ *XRT-22、アマティ・オマージュの音の重量感は凄かった(笑)



拙宅みたく、狭い部屋でのリスニングで、扱いやすいのは805d3のいやゆるブックシェルフサイズであるのは間違いない。ハンドリングのことだけを考えての804d4導入だったのだが、如何せん、804d4であっても、私の部屋サイズとのバランスは不適合。B&Wスピーカーはまず、部屋とのサイズを合わせないと「骨折り損のくたびれもうけ」になるとつくづく思い知った次第。


804d4はフロントバスレフでなくなった分、低域のエネルギーが大きいだけでなく、コントロールが難しい。804d3みたくフロントバスレフの方が狭い部屋ではコントロールしやすい可能性もある。

ただこの低域に関しては、自室にはシルヴァンがあるから非常に助かっている。シルヴァンを無くすと低域が膨大に暴れ出し、同時にシャープネスが激減する。ここまでの低域のパワーは805d3では心配なかっただけに、804d4の低域の暴れを圧倒的にキレイに収め、自然なシャープネスを紡ぎ出す、改めて自室のシルヴァンの存在に感謝している次第。


リュートやチェンバロといった「楽器そのものに音の厚みが少ない」ソースを再生すると如実にわかるのだが、オーディオらしい音は805d3である一方、生コンサートの音に近いのは804d4である。804d4はホールトーンからくる音の厚みといった響きがより自然に再現されているからだろう。805d3では弦を弾く指の動きや指が接触する微細な音の揺らぎの厳密な再現に耳がとらわれ、生を超えた「性能チェック」のような音になりコンサートのような鳴り方になり、804d4のような響きが少ない。


スピーカーだけ805d3から804d4へ変えただけで、アンプ+プレーヤー+部屋が同じで、同じソースでもここまで違う音が聴ける。

もし805d4と804d4ならばさらに差が大きく出るのだろうが、、店舗ならいざ知らず。。。


803以上のクラスと、804や805の差は「音の重み」であろうか。

804d4には重みが極めて少ない。803、特に802になると音の重量感が大変充実してくる、そのような充実感を得られる「重み」は804d4に感じることができない、実に悔しいが(笑)。(エージングで変われば嬉しいが現時点では感じられない)。軽やかな805d3に低域を充実させた「だけ」なのが804d4である。重低音と音の重みは別である。闇騒音に音圧を感じるのが「音の重み」であり、中高域にもかかわらず「低域と同じような音圧」が再現されるのが「音の重み」である。805d3や804d4では再現不可能の部分で803以上が必要、802レベルのエンクロージャーが「重み」に必要と感じる。




「音の重み」は重厚長大である必要性があり、ハイエンドサウンドのど真ん中であることは否定しない。その点で805d3や804d4は「ハイエンドっぽいなんちゃって・・」だろう。


兎にも角にも「重量感あふれるリアリティが音楽の全てだぁぁ」という御方は

部屋が狭かろうが、

床がペナペナだろうが、

エンクロージャーの威圧感があろうが、

価格がどうであろうが、

なんだろうがかんだろうが(笑)、

スナオに803以上、、、いや802以上を選ばれたい。



# by bachcantata | 2022-04-24 14:50 | オーディオ

Mcintosh XRT後は、ソナスファベール・アマティとガルネリを使い分けてイタリアの風を嗜む。デジタルデトックス、軽薄短小にこだわる逆戻りレコード演奏家


by bachcantata