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50周年記念モデル アキュフェーズプリメインアンプE−800

50周年記念モデル「第一弾」E-800というプリメインアンプが発表された。

つづいて、おそらく第二弾、第三弾とくるのか。予想としてはプリアンプ3800シリーズの次期モデルC-4000(あるいはC-5000)!?が発売されるのではと期待している。E-650がプリメインアンプの最上位機種であって、それがこのE-800に取って代わろうとしているので、現行プリアンプC-3850は3870や3880等といった進化ではなく、50周年記念であるから新しいラインナップでの登場であってほしい。


さて、早速アキュフェーズの最新プリメインアンプE-800を店頭試聴した。

今月末に発売されるらしい。製品カタログも未配布、ただ店頭説明用資料があるだけ。


まずは本体の大きさ。

同社の大型パワーアンプ(A-75やP-7300等)と同じサイズ。大型パワーアンプにボリュームとセレクターツマミを取り付けたというデザインである。「デカい」という言葉は下品(笑)だが、プリメインアンプE-800は実にデカい!このサイズはパワーアンプなら気にならないが、プリメインアンプとなるとつい「デカイな、オマエ!」と呼びかけてしまった。


本体正面から見るとA-75やP-7300よりも大きく見える。サブパネルを開けると、他のプリメインアンプ同様、垂直面にツマミが配置されている。プリアンプ28シリーズや38シリーズみたく傾斜面にスイッチが並んでいないのが残念。超フラグシッププリメインアンプだから同社高級プリの視野性の高さを期待していたのだが。。パワーアンプA-75やA-250と同じデザインパターンを受け継いでいるのだろう。


兎にも角にも、威風堂々の大型プリメインアンプ登場である。

裏を返せば、セパレートアンプの売行き低迷が悲しいほど伝わってくる。私ごときのたかが30年程度のオーディオマニアですら「このE-800のサイズと価格ほどの熱意があるならば消費者は絶対にセパレートアンプにするよ」と思えるのだが、アキュフェーズみたく手堅い日本企業が記念モデルとして「超大型プリメインアンプ」を登場させたことはすなわち、今後のオーディオ界の方向性を示唆しているように感じてならない。


E-800のバーメーターが小さく見えるのは本体が大きいからである。重量36Kgは一人で運べるギリギリの重さ。水平方向の移動なら、なんとかなるかもしれないが、階段移動は一人だと厳しいだろう。マッキントッシュのプリメインアンプみたく本体前面に取手(ハンドル)を付けなかったのは、雰囲気を少しでも大袈裟に見せないための工夫か、あるいはボリュームノブとセレクターノブの位置関係上ハンドルが付けれなかったかと勝手に憶測する。

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次に発熱。

本体上部はA級アンプだけあって暖かい。待機電力180W(定格出力50W)は冬場は暖房機器として役立ちそう。さすがと思わせたのは、本体側面・底面はほとんど熱くならないこと。E-800は本体上部をしっかり空間を空けておけば動作に問題ないだろう。天板に手を当てると結構の発熱を感じるが決して熱い!というほどではない。パワーアンプA -75より発熱は少ないが、A -47パワーアンプより熱いように感じた。放熱のために上部空間の確保は絶対に必要だろう。



さて、音質である。

プロトタイプでエージングがまだまだの状態である。特にこれだけの大きさのパワー部を持っているプリメインアンプである。半年くらいはエージングをしないと真価を発揮しないと確信している。その上でのインプレとご理解頂きたい。


プリ部分はガラス布フッ素樹脂基盤に搭載されたBalanced AVAAボリュームシステムである。ボリュームノブは質感が良好で高級感あふれている。650と同等なのだろうが、プラセボからか800の方がネットリとボリュームの質感が38シリーズにより近いように感じた。


スピーカーはB&W802d3、CDプレーヤーはアキュフェーズDP-750で試聴。



同社伝統「A級アンプ」の音である。美しく良く響く。一音ずつの輪郭はソフトフォーカスで細部を聴き分けるというよりメロディライン全体を感じさせる音づくり。また音調が明るく感じる。それはパワー部のエージングの関係で低域がまだ伸びきっていないからかもしれない。意外にもアタック音はソフトである。本体の大きさがあるのでドッシリと大らかさある音を勝手に期待していたが、プリメインアンプらしくとても小気味よい聴きやすいサウンドだ。押し出しは強くなく、音の強弱の表現は均一化されている。アキュフェーズの音作りは海外メーカーと比べると「スピーカーの前に音がバーンと飛び出してくる」という出っぱりが少なく感じる「インパクトが少ないおとなしい美音系」であるが、E-800もまさに美音系である。ただ、今までのように「ただ美音系」とだけで片づかない。何かが大きく加わったのだ。

インパクトあるサウンドとは違うが、これは大変エネルギッシュである。サイズ大型化の恩恵だろうか。サウンドがスピーカー前後にプリメインアンプとしてかつてないほど大きく広がるのだが、特筆すべきはスピーカー上下の広がりである。線が細くならない、とは言ってもマッキントッシュアンプのように太いわけでもない。稚拙な表現を繰り返すようだが、同社のSACDプレーヤーDP-720の音から現行のDP-750へ進化したようなサウンドとも感じる。「アキュフェーズの太さ」であって、同じ太いと言ってもマッキントッシュではないのであるが(笑)。


これはE-800独特の音表現である。

この大型プリメインアンプならではの音色である。

自宅でしっかり試聴したアキュフェーズのプリメインアンプとしては、E-600(現行650の一つ前のモデル)にさらにパワーアンプを加えてバイアンプ化したような、いわば「パワフルな美音」である。E-600系もいわゆるプリメインアンプの音ではないが、このE-800は今までにない新しい音、つまり従来のプリメインアンプともセパレートアンプとも違う、新しいタイプの音ではないかと感じつつ試聴を続けた。


E-650から搭載された同社フラグシッププリアンプのボリューム機構であるbalanced AVAAが、このE-800にも搭載されており、しかも650より高級化させて、800はガラス布フッ素樹脂基盤を採用しているようだ。


ネットでも色々と議論されているようだが、プリアンプC-2850以下はbalanced AVAAではない。従ってプリメインアンプE-650やこのE-800が搭載しているbalancedAVAAのボリューム機構の方が上位!?ではないか、、、という実に子どもじみた思考、カタログスペック妄想を打破するため(笑)に、店頭に常設してあるプリアンプC-2850からE-800(パワーイン接続)を試してみた。


正直に申し上げる。

サウンド全体のバランスは明らかにE-800単体で完結すべきだと痛感した。それほど完成された音を奏でるアンプである。

しかしオーディオ野郎は「いらんことシイ!」(笑)で子どもっぽいアンポンタンが多いのもまた事実。それがオーディオ趣味そのもの。


C-2850というプリアンプを加えただけで、強弱の表現が激変した。先の表現でのアタック感が別物である。一音一音が力強く、芯がある。くっきりハッキリするだけではなく音がスピーカーの前に飛び出してくるし、SNが高まるので、一音の発音から消音までが長く感じ、スタッカートやターイ、スラー等という微細な技法も聞き取れ、リズムの変化がしっかりと表現される。止まるところはしっかり止まり、ダラダラと曖昧に流れてゆかない。ピタッピタッとブレがないのでメロディを味わうというよりオーディオ的なサウンドチェックになる。プリアンプを加えるだけで、やはり、というより予想どおり、ここまでオーディオ音楽は変化する。


そして再びE-800単体に戻した。当然、上記の部分は全て消えてしまう。しかし、音のバランスが良い。つまりプリアンプを加えるとオーディオ的には圧倒的に性能アップされるのだが、必要がない部分が強調された感じが強かった。良い意味でも悪い意味でも「情報過多のように感じてしまいうるさい」と蛇足感にあおられていた。E−800単体だと、情報過多が非常に上手に間引きされヴォーカルやメイン楽器が浮かび、微細な技法はソフトフォーカスで包まれ、きれいに聴きやすく整う。整っても決して「地味」にはならず、力強い。情報量をエネルギッシュさと無類の空間表現で巧みに表現する名機の堂々登場である。


、、、とまあ、インプレを書いた。いつもながら、音の表現を文章化するのは至難である。


by bachcantata | 2019-11-03 15:16 | 試聴記

Mcintosh XRT後は、ソナスファベール・アマティとガルネリを使い分けてイタリアの風を吹かしていた。現在はB&W805d3だけを極めてお気軽に鳴らす逆戻りレコード演奏家


by bachcantata