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「買わない方法」どうしてあんなに欲しかったんだろう

「買わない方法」どうしてあれほど気になって、欲しがっていたのって。まるで夢でも見ていたようだ。「買わない方法」なんて、なんだかサイレントテロを企てるような、いまどき流行りそうにない話題だが。


エソテリックのSACDプレーヤーK-03Xを試聴してから1週間は、その強烈な情報量と音像定位、量感に魅了され続けていたが、2週間ほど時が過ぎて行くと、耳が元に戻ってきた。自室でSonica dacで普通に音楽を聴けるようになった。たかが数週間程度の影響力しかない。本当に質なんて上げる必要あるのかと深刻になる。オーディオの世界は質の向上しかないのに。


高級料理店で最高に美味いものを食べた後しばらくコンビニ弁当の味に辟易していたが、数日経ったら腹も減るしま、これでいいかと食べれるようになった、といえば分かり易いか(笑)。別にアキュフェーズのセパレートアンプがコンビニ弁当というわけではない。03x とSonicaを比べるとである。


「買いどき」なんていい加減なんだ。オーディオ機器なんてアンプにしてもプレーヤーにしても、スピーカーにしても試聴して物欲が過熱したら1週間以内に購入する例がほとんどだろう。もちろんお金がないと買えないわけだが、物欲が優先し過ぎて「ローン」して買えるので、結局は「欲しくなった時がすなわち買い時」となろうか。


耳が元に戻ると、あれだけ気になっていた「音」が遠い過去の想い出となって、それを自分のものにするとは考えず、今所有している機械を使おうと思い始めるから面白い。


母を捨てて「彼女」と共に暮らし始める。

父を捨てて「彼」と子どもを作る。

「捨てる」はすなわち「面倒を見ない」の意とも。


現在日本を揶揄すると、

自分の子どもを捨てて「スマホ」とにらめっこする。

「捨てる」はすなわち「保育園にブチ込む」の意とも。

親を老人ホームへブチ込み、子どもを保育園へブチ込んで、キャワユイオケチョウ(可愛いお化粧)をした女たちはアホみたいな高級外車で一体どこへ行こうというのだろうか。。。。おっと話題が逸れた(笑)。


生命体のサガ、宿命なのだろうか。

変化だけを喜んでいると、いずれ変化しなくなる、変化できなくなる時にドーッと不安感や喪失感、虚無感が押し寄せるだろう。自分の親の惨めさを少しでも感じれるなら、もっと大事にしなけれなならない存在があることに気づき、それを少しでも長い時間寵愛できるはずなのに。


オーディオ機器なんてピンキリだが、金額が上がるほど、たしかにSNが良くなり、「今まで聴こえなかった音」をより正確に、より気持ち良く、より簡単に、より受動的に捕らえられるようになる。オーディオ趣味なんて結局は「どれほど多く音をたくさん聞けるかどうか」だけである。金額はそれに比例している。


誰も反論はできないだろう。

食べ物と同じである。高価な食物は単純に考えて、新鮮で美味しいのである。美味しく感じないのは経験の量とも比例する。この点もオーディオと食物とは似ている。


誰1人も高い値段を支払ってまで「低品質」を手に入れようとはしない。軽自動車に2千万円も支払わない。カップラーメン1個に5万円も支払わない。百均のスピーカーに100万円も支払わない。

しかし、カップラーメンもフォアグラも「同じ食べ物」でマイバッハもホンダN-BOXも「同じ車」だし、百均のスピーカーからも1000万円のスピーカーからも「同じ音」がしている。「同じ」なのだ。教育で「差」を生み出す。「差」が分かることを「教養」といったり「文明」ともいったり。


何をするにもまず何かを買わないと始まらない。そしてほとんどの場合、高額を使わないと質を高められない。質を高めるためには、よって高額を貯金することを余儀なくされ、善かれ悪しかれ社会で信頼を勝ち取らないとならない。ここまで油断なく王道なしの一方通行である。その社会システムで上に財を築くこと、信用を得ることは、民主主義という名によって我々はみな平等なチャンスを与えられているはず。しかしどうもおかしい。どう見ても平等じゃない。民主主義が形骸化していてひさしい。


「買うこと」すなわち「向上」「発展、進化」「平和」の時代は終わりつつある。方々で価格破壊が起こり始め、価値観も崩壊して行く。人の価値観の劇的な変化に社会がフォローできていない。民主主義の限界であろうか。


チャーチルが言ったように「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」なのか。


今は歴史の終点ではない。まだ人類の歴史は、ほんの序曲であろう。


by bachcantata | 2017-12-09 15:36 | 自己紹介・他

Mcintosh XRT後は、ソナスファベール・アマティとガルネリを使い分けてイタリアの風を嗜む。デジタルデトックス、軽薄短小にこだわる逆戻りレコード演奏家


by bachcantata