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大好評DAC Sonica Dac を自宅試聴

Sonica Dac
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2017年3月現在、超人気商品で入手困難な税別10万円もしないDAコンバーターである。

先日、行きつけのオーディオショップから数日ほど借りることができた。自室には5年前から変わらずフィデリックスCapriceという見栄えは悪いがコスパが高いdacを使い続けている。日進月歩であるデジタル機器を更新せず使い続ける理由は、「節約と横着」からだけである。

さて、sonica dacを早速試聴した。
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一聴して情報量が多いとわかる。音楽ソースにあるはずのホールトーンの表現が圧倒的に高く、消えてゆくリバーブ音域、反響音が自然で、クリアーである。Capriceが線画ならSonica Dac は点画である。高域がキツく感じるが、全域にわたって情報量の高さから密度が極めて高い。
そして驚くべきポイントは低域である。805d3という小型スピーカーから信じられないほどの低音が再生される。大体10万円に満たない安価なdacは、おおむね高域よりの再生音で、ドンシャリ嗜好の購入層に合わせたシャリついた音作りがほとんどだが、Sonica Dac は全くそうではなく、高解像度の中高域を溢れんばかりの低域が支える。


ソフトフォーカスではなくピントがカチッと合った音像が展開する。ピントの合い方がピリッとしていて気持ちが良い。緊張感がある音ではなく、意外とリラックスできる音作りである。カメラのレンズの傾向に例えるなら、ツァイスではなくライカ寄りである。絵の造り方が非常にシャープだ。


凄まじい超ハイコストパフォーマンスである。流石、ESSの新世代DAC ES9028PROを搭載した激安dacだ。ハイエンドオーディオの音(全域で高密度、空気だけが振動するサウンドイメージ)がするが、品の良い上質さは感じられない。しかし、本体の造りは価格破壊という言葉がドンピシャリで、10万円足らずの定価が嘘のようだ。

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また、Spotify というネットラジオサービスを内蔵wifiで受信できて、これがまた音が良い。月額980円でプレミアム会員になる事ができ最高320ビットレート受信可能、4000万曲聴きたい放題。音楽ライフが大きく変わること必至だ。
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このネットラジオ、iPadならあまり音が良く感じないが、Sonica Dac内臓のwifiで直接処理された音を聴くと、320ビットレートで全く問題を感じない。ネットラジオならではの色々な音楽ジャンルを聴くことが簡単に出来るし、クラシックチャンネルも充実している。録音ソースの良し悪しが出過ぎるリファレンス性は、ここまで高音質dacなら当然気になってしまうのは仕方がないが、概ね良い音でネットラジオを、手軽に聞き流す事が可能だ。
平生あまり聴かないジャンルも手元のタブレットやスマホから簡単にコントロール出来る。
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なにせ横着者なので、CDプレーヤーの重要性、高音質なのは熟知しているが、利便性が圧倒的なPC再生に帰着してしまう。アマティ・ガルネリシステム以来、アナログレコード再生はご無沙汰である。膨大なレコード盤が自室オーディオルームから別室に移されて久しい。レコードプレーヤーヤマハGT2000Lも手放して、まあスッキリした訳だが(笑)。


Sonica dac はとにかく驚異のコストパフォーマンスである。
この低域の量感は素晴らしく、これほどの密度感は価格を超えている。にじみは全くなく、中域は程よく薄味、高域が上へ上へ伸びるが、エージングが必要と思われるほどキツさを感じることが多かった。これは使うオーディオケーブルや電源ケーブルでコントロールしつつ、本体のエージングをすれば良いだろう。
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プリアンプ C3850を導入してから、簡単に比較試聴出来るようになった。マッキンC46やレビンソンのプリアンプを使っていた頃以来の利便性の高さである。

特にマッキンC46では入力端子よって音質が違う(笑)こともあり、厳密な比較試聴が出来なかった。その点C3850なら問題ない。本当に素晴らしいプリアンプである。
CapriceをCD BALに接続し、Sonica Dac をBAL1に接続した。リモコンでパッパッと切り替え比較試聴出来る。
同じ曲をパッと切り替えまくりながら2つのDACを比較すると、Capriceも意外と頑張っているが、解像度では太刀打ちができない。旨味というか、聴かせ方と言うか、そういった音の厚みのようなものはCapriceの方があるようだが、それもSonica Dacの高解像度の前にはくすんでしまう。アナログレコードならばちょうどカードリッジを最新したような感じがある。レンジが広がり、聞き慣れた曲から今まで聴こえなかった音が聴こえ始める。そして今までうるさく感じていた音が実はうるさく無くなった、そんな感動。それを得るためにオーディオファイルは生きているのだ(笑)。
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Sonica Dacはしばらく後、買うだろうから購入後からまたレビューを載せる事にしたい。この金額なら「導入」ではなく「購入」である。その程度なので、なんともまた気軽である。
by bachcantata | 2017-03-10 17:12 | 試聴記

Mcintosh XRT後は、ソナスファベール・アマティとガルネリを使い分けてイタリアの風を嗜む。デジタルデトックス、軽薄短小にこだわる逆戻りレコード演奏家


by bachcantata